奈良市長選から一夜

民主推薦の新顔仲川元庸(もとのぶ)氏(33)が初当選を果たした奈良市長選の衝撃から一夜明けた13日、衆院選の日程が8月18日公示、30日投 開票と固まった。民主は「市長選の勢いを政権交代につなげたい」と意気込み、自民、公明は「嵐のような追い風が民主に吹いている」と警戒する。共産、社民 を含め、「選択」をかけた真夏の政治決戦が、いよいよ始まる。

民主党県連の馬淵澄夫代表は、仲川氏の当選を「しがらみと税金の無駄遣いを拒否する市民の声が明確に示された結果」と高く評価し、「33 歳という若さを生かし、生活者のための市政実現」とエールを送った。総選挙については、「国民の信を問うことなく3度も総理をたらい回し、解散を引き延ば してきた自公政権、ことに麻生総理の責任は重大。その間、国民の生活は疲弊したままだ。政権交代に向け乾坤一擲(けんこんいってき)の戦いを挑む」と力を 込めた。

これに対し、自民党県連の田野瀬良太郎会長は、市長選について「鍵田(忠兵衛)さんは、地方政治に国政政治を持ち込むべきでないと訴えた が、民主の風に敗れた。気の毒でならない。県議・市長・衆院議員という経歴は申し分なかったのだが……」と残念がった。総選挙については「現時点では正式 な連絡がなく、コメントは難しい」としつつも「8月30日投開票が現実になると相当厳しい。しかし、政策を選挙戦で懸命に訴えれば必ず理解を得られる」と した。

連立与党の公明党は奈良市議選では候補者7人全員の当選を果たした。党県本部の岡史朗代表は「かつてない逆風だったが熱烈な支援をもら い、党への支持を大きく広げた。市長選は残念だが、党への期待に応えるべく全力をあげたい」と総括。総選挙についても「“生活を守り抜く”党の実績と政策 を徹底して訴える」と強調した。

一方、他の野党は、「自公」対「民主」の対決構図に割って入ろうと、待ちかねた総選挙に闘志をみせた。

共産党県委員会の沢田博委員長は、仲川新市長について「是々非々の立場で臨む」としつつも、「市長選を政権交代論一本で政局に利用した」 として、民主党を強く批判した。総選挙に向け、「『自民か民主か』というようなちっぽけな選択ではなく、21世紀の日本の進路が問われる。消費税増税、憲 法改悪など自民、民主による悪政の競い合いを止める」と言いきった。

初登庁は今月31日の予定で、「まずは事業内容を検証し、徹底的に無駄を洗い直すことに取り組みたい」と抱負を述べた。市民との距離を縮 める必要があるとして、現在5階にある市長室を1階へ移すことも検討するといい、「ガラス張りの市長室にして、どんなお客さんや口利きがあるのか市民にす べて見えるようにしたい」と語った。橋下徹・大阪府知事が提唱している首長連合については「国に対して連合体として働きかける必要があれば、政策ごとに連 携を組めばいい」と話し、参加の意思はないことを明らかにした。

会見後、仲川氏は藤原昭市長を訪ね、当選を報告。藤原市長は「一票の重みは大きく、任期中にじわーっと感じることがある。若いパワーに期待しています」とエールを送った。

社民党県連合の樹杉和彦代表は「無駄をなくし、暮らし重視へ転換するという新市長を注目したい」。総選挙については「都議選で自公が過半数を割ったことは、麻生内閣への不信任。与党は一刻も早く解散し、国民の信を問うべきだ」とした。

○仲川氏「無駄洗い直す」

仲川氏は13日午前、市役所で当選証書を受け取り、「紙でできているとは思えない重さを感じています」と感想を述べた。続いて記者会見に 臨み、次点の元職の鍵田忠兵衛氏(51)=自民、公明推薦=との得票差が約1万3700票あったことについて、「争点が見えにくいと言われたが、古い政治 から新しい政治へというメッセージが広がったことで大きな差がついた」と振り返った。

コメント / トラックバック 1 件

  1. Thanks for posting about this, I would like to read more about this topic.

コメントをどうぞ